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コブシメ
2022/12/04

コブシメ

コウイカ目コウイカ科

コブシメ
コブシメ

分布、大きさ

インド洋、太平洋

50㎝以上

概要

体長は50cmを超えるコウイカ目の最大種。「コブシメ」という名前は、沖縄の地方名「くぶしみ」に由来します。

表面は濃い紫褐色で、全身に白く小さな斑点がまばらに散らばっており、触腕の先端の手のひらは大きく広がっています。

秋から冬にかけて産卵期を迎え、サンゴ礁付近に集まってきたコブシメは雌をパートナーにするため、雄同士で激しい闘争を行います。

コブシメ
コブシメ

通常、雄と雌、または雌同士では争う事がないですが、雄同士では必ず激しい闘争をします。体の模様を白と黒の縞模様にし、腕を斜め下に伸ばして威嚇し、相手を追い払おうとします。ダイバーにさえも威嚇のポーズをとってくることがあります。

交接は雄と雌が腕を絡ませて、緩やかに前後に動きながらホバリングしながら行われます。雄から雌に精莢(せいきょう)と呼ばれる精子の入ったカプセルが渡されます。交接中の雌は目を閉じたりしていますが、雄は周囲の雄を絶えず警戒しています。交接中にライバルが現われて、交接中の雌雄を引き離す事もあるからです。

雌はサンゴの枝の間に注意深く1つずつ卵を産み付けていきます。卵はピンポン玉より少し小さい直径約2.5cmの先端がやや尖った球形で、乳白色です。一度に100~200個産み、約2ヶ月で1000~1500個の卵を産みます。産み付けている間も雄は雌の背後でホバリングしながら見守っています。

コブシメ
コブシメ

うまくパートナーを得たペア同士は交接行動を行い、サンゴ礁に直径2.5cmほどの卵を産みつけます。卵は産卵後1~2ヵ月程度で孵化します。

産卵から80日ほどたった夜明けに孵化が始まります。孵化間近の卵に強い光を当てると孵化することから、孵化の誘因の1つに光の刺激があることが推測されます。

孵化した赤ちゃんは胴長1cmを超えるイカ類では最大の赤ちゃんであります。胴長1cmほどの稚イカたちが外海へと巣立っていくのです。浅いところで孵化したコブシメは深場に移動し成長します。

コブシメの寿命は1年か2年で数回産卵した親は役目を終えて死んでしまいます。冬から春にかけて、死んだコブシメが波間を漂っているのを見かけます。

コブシメ
コブシメ

コブシメの食性は動物食で生きた魚やエビ・カニなどを食べます。餌は食腕と呼ばれる腕を素早く伸ばし捕まえる。捕まえた餌は他の腕で覆い隠し食べるが、大きい魚などを捕まえた時などは他のコブシメが横取りに来る事があり、奪い合って食べているうちに相手の腕まで食べてしまう事もあります。

プーケットやシミランでのダイビングでは至る所で見かけることができます。少し臆病なので近づくと後ろを向いてしまいます。ガイドの後で上手に撮影できるといいですね。

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